ちょっと面白いお話

その3

 『入雛初日』

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  毎月のようにひよこ達がピヨピヨ、鶏舎にやって来る。

前日に、卵から孵化したひよこ達。

 鶏舎に到着してしばらく、彼らに向かって声をかけてみる。手を叩き音

を出してみる。手招いてみる。注目を引くように指を動かしてみせる。

多くのひよこ達が一目散に、駆け寄って来る。

旧知であったかのように、無防備に近寄って来る。

音のする方へ、動いているものへと彼らは、めがけ向かって来る。

 親を求めるという『刷り込み現象』の一つの現れなのかも知れない。

 

 ところが翌日、鶏舎の中へ入ると、ひよこ達は一羽残らず逃げまわる。

音のするものから、動いているものから、一目散に逃げまわる。

おそらく、ある一定の時間が経つと、我が身を守ろうとする『防衛本能』が

芽生えて来るのだろう。

 もし誰かが、その『防衛本能』が芽生えるまで彼らと一緒に過ごしたと

したら、ひよこ達はその人間を親と認識するのだろうか?

面白そうだから、やってみようかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

ちょっと面白いお話

その1 

 『物語による日本の歴史』という、児童図書として書かれた本がある。

その中に、思わずクスッと笑ってしまった話がある。

けっこう有名な話のようだが、私は知らなかった。

 

      『神様の我慢比べ』

 大昔、オオクニヌシスクナヒコナという神様が仲良く国作りの仕事をしていた。

オオクニヌシは、体が大きく力持ち。 スクナヒコナは、チビ助だけど知恵に優れていた。

 そんな二人がある日いいあらそいをした。

「重い粘土を担いで遠くまで運ぶのと、ウンコをしないで遠くまで行くのと、果たしてどっ

ちが我慢できるだろうか?」

オオクニヌシは、「それは、ウンコをしないで遠くまで行く方だ。」と言い張り

スクナヒコナは、「オイラ、重い粘土を運ぶ方だと思う。」と言い張った。

「それではお互い試してみよう。」

オオクニヌシは、ウンコを我慢して、

スクナヒコナは小さい体で重い粘土をかついで、

二人とも歩きつづけた。何日も何日も。

 しかし、限界の時がとうとうやって来た。

「ウゥッ、もうダメだ‥‥」と言いながらオオクニヌシは、その場でしゃがみ込んだ。

そんな様子を見るが早いか、スクナヒコナも「オイラも無理だ。」と重い粘土を放り出した。

 二人とも顔を見合わせて大笑いしたそうな。

 

 もともとは、播磨国の『風土記』に載っていた話という。

自分なりにアレンジして記載してみた。

『物語による日本の歴史』今は、ちくま学芸文庫で出されている。

 

 

その2

 私の尊敬する良寛さんのエピソード。

 

      『鼻くそは何処へ』

 越後の名僧良寛が、茶会に招かれた時のこと。

ついつい鼻くそをほじくってしまい、誰にも分からないようにその鼻くそを自席の右に

置こうとした。

すると、右隣の客に袖を引かれ注意された。すかさず左に置こうとしたら左隣の客に

も袖を引かれてしまった。

良寛は仕方なく、自分の鼻の穴の中に戻した。すると大きなくしゃみが出て、鼻くそは

何処かに飛んでいってしまった。

一瞬、茶席が苦笑で満ち満ちたそうな。

 

 

 『良寛和尚逸話選』 禅文化研究所編 からの出典。

これも自分なりにアレンジして記載した。

 ちなみに私は、自動車を鼻毛を抜きながら運転することがよくある。

その度に助手席の妻に注意され、時折大喧嘩となる。